動く電話Telepii(テレピー)

動く電話 家族とつながる物語

家族とつながる物語

短編小説

出張の夜ごはん まもなく、夜7時。帰りの新幹線の中で、テレピーのアプリを立ち上げる。いつもの夕食の時間。「カレー、無事に温められた?」テレピーの向こう側で、娘が笑顔で手を振っている。「うん、ママが書いてくれてたメモ見...
夏休みと、これからの目標 「会いたかったよ」 …なんてセリフはちょっと照れくさい。だけど、待ちに待ったこの日がようやくやってきたんだ。ストレートに口には出せないけれど、心の中はウキウキと踊っている。夏休みを利用して、高校の終...
父の日 父のことを異性だと明確に認識したのは、小学四年生の頃だった。それが思春期、反抗期の始まり。反抗と言っても、暴れ回ったわけではない。家庭内のディスコミュニケーション。伝えたいことがある場合、母を通じた。...
ウェディングパーティー 急な発熱。子どもっていつもそう。なぜだか、ここぞって時に出る。翌日は、仲の良い友人のウェディングパーティーだ。友人は同い年で、学生時代から仲が良い5人のうちの一人。5人の中には、子どもがいる者も、結婚...
ソファに並んで 冷蔵庫から缶ビールを取り出し、テレビのスイッチを入れ、リビングのソファに腰を掛けた。薄茶色のレザーはエイジングが進み、このソファと共に月日を重ねてきたことを嬉しく思う。今夜も、テレピーにスマホをセッテ...
テレピー音楽会 入学式はなかった。クラスの半数ずつが、時間を分けて教室に入り、担任と挨拶をしたのみ。「入学式」と書かれた手づくりの立て看板前で、記念写真を撮った。背中には、まだまだ体に馴染まないピカピカの薄紫色のラン...
スキー旅行の日 楽しみを控えていると、とても不安になる。その日を無事に迎えられるだろうかと。自転車を漕ぐ時は怪我をせぬよう慎重に、帰宅後は風邪を引くまいと手洗いを念入りに。そう、細心の注意を払っていたのに、やってしま...
ばあばの食卓 慣れたはずの自宅。カレンダーは2ヶ月前のままで止まっている。 もう随分帰っていない気がするが、そんなものなのか。 2人目の出産を控え、臨月から実家で過ごし、産後1ヶ月ぴったりを経過した今日、自宅に...
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