家族とつながる物語
家族をつなぐテレピー物語 ウェディングパーティー
急な発熱。子どもっていつもそう。なぜだか、ここぞって時に出る。翌日は、仲の良い友人のウェディングパーティーだ。友人は同い年で、学生時代から仲が良い5人のうちの一人。5人の中には、子どもがいる者も、結婚していない者もいて、生き方なんて決して一通りじゃないことが分かりやすく現れていて面白いと思う。私の場合は、シングル、子持ち、会社員。子は小学生も半ばに突入し、手はほとんど掛からなくなってきた。ウェディングパーティーをゆっくり楽しむため、子ども同士が仲良くしてる近所の家でお泊まりを段取っていた。
熱よ下がれと強く祈るが、下がったとて、ご近所さんのところに、病み上がりの娘を預けられるほどハートは強くない。こんな時、離婚などせず、夫がいたら、子どもの世話を甘えられたのに、と少しだけ後悔が襲って来る。過去の自分の選択が、今の自分の目の前の選択肢を作っている。
母であっても、子どもにすべてのエネルギーを捧げたり、子どもに期待を掛けたりしないで、自分自身の生きる軸を持っていたい。そんなモットーを持っていたとしても、時と場合によっては、自分の楽しみより優先しなくてはいけないことが当然ある。
なかなか下がらない熱を蓄えた額に手を当て、もう一方の手でグループメッセンジャーに事情を連絡した。悲しみや励ましのスタンプが続く中、一人が「テレピー参列だね」と言った。ああそうだ、その手があった。テレピーは、以前私が友人みんなにオススメしたのを気かっけに、それぞれ購入して持っているんだった。過去の自分の選択が、今の自分の目の前の選択肢を作っている。
ウェディングパーティーでは、私たちのグループは同じテーブルだったので、友人の一人がテレピーをセッティングしてくれた。私は、まるいテーブルの真ん中に「座れた」ので、クルクルと360度回りながら、みんなの会話に入っていけたのが嬉しかった。美味しそうな料理はちょっとだけ羨ましかったけど。新郎新婦が各テーブルを回ってきた時には、私もお祝いの言葉を伝えることができた。熱が下がってきて元気になった娘も、テレピーを通じて、一緒にお祝いすることが出来た。現場に行けなかったことは残念だけど、娘のことも、友人のこともどちらも大切に出来たことに、心がとても満たされた。部屋の窓から、ふんわり春の匂いが舞い込んだ。