動く電話Telepii(テレピー)

動く電話 家族とつながる物語

家族とつながる物語

家族とつながる物語 出張の夜ごはん

まもなく、夜7時。帰りの新幹線の中で、テレピーのアプリを立ち上げる。いつもの夕食の時間。「カレー、無事に温められた?」テレピーの向こう側で、娘が笑顔で手を振っている。「うん、ママが書いてくれてたメモ見たから大丈夫だったよ」「じゃ、いただきます!」「いただきまーす!」

片道3時間の出張は、たとえ5時に仕事を終えたとて、わずかに夕食の時間に間に合わない。それゆえ、出張を伴うプロジェクトを担当することができず、もどかしく感じていた。子育てと仕事のバランスは、いつも難しい。だけどバランスは、時と共に移ろっていくことも分かってきた。子どもの成長と共に、親子それぞれが、自分で自分の時間を使えるようになってくる。娘が鍵を持つようになり、児童館へのお迎えが必要なくなり、送り迎えに掛かっていた30分を仕事に費やしたり、夕飯の買い出しのためスーパーにゆったりと立ち寄ることができるようになった。娘は、帰り道を友人と会話しながら帰ってきているようだ。

そんなステップを経て、今日、初めて出張に行くことにした。日帰りだし、夜の8時には家に着く。わずかな一歩ではある。出張を実行しようと思えたのは、テレピーの存在を知った時。手元のスマホから、相手側にあるテレピーの向きを自由に操作できることで、遠く離れていても、まるで相手がそこにいるように感じるのだ。特に、テレピーは食卓にぴったりで、遠く離れている相手とも、一緒に食卓を囲んでいる気持ちになるのだという。

テレピーを手に入れ、娘と一緒に家で実験。「回った!」「おおー、面白い!」と、操作の予行演習は、バッチリ。出張に出る朝、テレピーを食卓にセッティングし、温めれば食べられるようにカレーを冷蔵庫に準備して、家を出発。

「カレー、美味しい!」美味しそうにカレーを頬張る娘をテレピー越しに見る。リモートワークが当たり前になって、新幹線の仕事専用の車両では、オンラインミーティングをしている人も多く、周りのこともあまり気にせず通話が出来る。あと数駅で最寄駅に着く。無事に仕事を終えた開放感と、テレピーを相方として日帰り出張が実現した達成感。娘の食事風景を見守りながら、私も缶ビールをプシュッと開けた。

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